【春の選抜】2025年の21世紀枠に入った注目高校は?

2025年のセンバツ高校野球(第97回選抜高等学校野球大会)の概要が発表されました。
注目の21世紀枠の高校を中心に紹介していきます。

日程:2025年3月18日(火)~30日(日) 13日間
※ 組み合わせ抽選会 3月7日(金)

場所:阪神甲子園球場

1.選抜高校野球の21世紀枠に選ばれる基準は?

1.秋季地方大会での成績
・129校以上の加盟校がある都道府県ではベスト32以上
・それ以外の都道府県ではベスト16以上の成績が必要

2.高校野球の理想を体現する学校であること
・部員不足や自然災害などの困難を克服した経験
・地域社会への貢献

3.文武両道の姿勢

4.学校全体の活動や地域への貢献度

5.独自性ある教育活動

21世紀枠の歴史

選抜高校野球の21世紀枠は、2001年に開催された第73回大会から導入されました。

この特別枠は、困難を克服し、地域社会に貢献する学校に甲子園出場の機会を与えることを目的として設けられています。

21世紀枠の導入背景には、強豪校が常に選ばれる状況を打破し、高校野球の教育的価値や多様性を高める意図がありました。

この枠組みにより、野球の実力だけでなく、部員不足や自然災害などの困難を乗り越えた経験、地域貢献活動、文武両道の姿勢なども評価されるようになりました。

導入以来、21世紀枠は高校野球の多様性を広げ、様々な背景を持つ学校に甲子園へのチャンスを与えることで、高校野球全体の発展を促進する役割を果たしてきました。

しかし、一般選出校との実力差から、21世紀枠の見直しを求める声も上がっており、今後も高校野球の多様性と発展に寄与する枠組みとして議論が続けられています。

    センバツの選考プロセス

    1.各都道府県の高校野球連盟が1校を推薦(北海道を除く46都府県)

    2.推薦された46校を8地区に分けて2次選考

    3.北海道を含む9地区で各1校の候補校を絞り込む

    4.最終的にセンバツ選考委員会が2校を選出

      21世紀枠は、単なる野球の実力だけでなく、学校全体の価値や地域貢献、困難克服の姿勢を評価する特別な枠組みとなっています。

      選考基準の変更により学校の特徴にも変化?

      2023年から春のセンバツ(選抜高等学校野球大会)の選考基準が変更され、より幅広い選考がされるような新たな「選考ガイドライン」が設けられました。

      1.試合結果と内容の均衡
      秋季大会の試合結果と試合内容が同程度の割合で評価されるようになる

      2.総合的な評価
      野球の実力だけでなく、野球に取り組む姿勢やチームワークなども選考の対象になる

      3.地域性の考慮
      できるだけ多くの都道府県から出場できるよう、地域性が考慮される

      4.地区大会重視
      府県大会よりも選考委員が視察する地区大会の結果・内容が優先される

      5.透明性の向上
      選考委員それぞれが選出の理由を説明できるように努めることで、選考過程の透明化が図られる

        これらの変更により、単に強豪校や秋季大会の上位校が選出されるだけでなく、より多様な要素を考慮した選考が行われるようになりました。
        地域性や学校の取り組み姿勢なども重視されることで、より幅広い学校に出場のチャンスが与えられる可能性が高まっています。

        2.2025年の21世紀枠に選ばれた高校は?

        大会には全32校が出場し、21世紀枠として2校が選出されました。
        両校とも初出場です。

        横浜清稜高校(神奈川)

        横浜清陵高校は、2025年の第97回選抜高校野球大会で21世紀枠に選出され、春夏通じて初めて甲子園出場を果たした神奈川県の公立高校です。

        学校概要
        ・2004年に神奈川県立清水ケ丘高校と大岡高校の再編統合により誕生
        ・2017年に総合学科から単位制普通科に改編
        ・神奈川県横浜市南区に位置

        教育特徴
        ・単位制を採用し、必履修科目以外は生徒が自ら時間割を作成
        ・2年次から文系・理系に分かれ、進路を見据えた学習を開始
        ・3年次には幅広い分野の自由選択科目を提供

        特色ある取り組み
        ・インターンシップの実施と単位認定
        ・校外活動(英検、ボランティア活動など)の単位認定
        ・生徒主体の学校説明会の実施

        進学実績
        ・横浜国立大学、静岡大学などの国公立大学
        ・慶應義塾大学、上智大学などの難関私立大学

        部活動
        ・レスリング部、陸上部、ライフル射撃部が全国大会出場の実績あり
        ・合唱部や吹奏楽部も活発に活動

        横浜清陵高校は、生徒の自主性を重視し、多様な学習機会を提供する中上位クラスの公立高校として、甲子園出場を機にさらなる注目を集めることが予想されます。

        横浜清陵高校野球部の特徴

        1.強豪私立校がひしめく神奈川県で、公立校として唯一のベスト8進出を果たした実力校。過去4年間で春・夏・秋の大会でそれぞれ1回ずつベスト8に進出するなど、公立校として健闘。

        2.選手の自治を重視し、リーダーを定めて選手間で意見を出し合いながらチームづくりを進めている。

        3.グラウンドは他部と共用で、活動時間に制約がある中で創意工夫した練習を行っている。

        4.投手陣は右腕の内藤大維(2年)と左腕の西田豪(1年)が中心で、粘り強い投球が特徴。

        5.打撃陣は4番の高山大馳捕手(2年)を軸に、1番の長谷川悠人内野手(2年)を含めた上位打線が攻撃の中心となっている。

        6.超高校級の選手はいませんが、普通の高校生たちが一丸となって戦う「どこにでもいるような」チーム。

        7.守備重視のチーム戦略で、少ないチャンスを確実にものにする攻撃スタイルを持っている。

          8.限られた環境の中で工夫を重ね、選手主体のチーム運営を行いながら、公立校として強豪私立に伍する成績を残している点が大きな特徴。

          9.チームの特徴として、「自治」を重視し、選手間でリーダーを定め、意見を出し合ってチームづくりを進めている。また、背番号はポジション順ではなく、選手の名前の五十音順で割り振るという独特の方式を採用。

          現在の監督は野原慎太郎氏で、2020年から指揮を執っています。
          野原監督は東海大相模高校出身で、2000年春の選抜大会で全国制覇を経験した後、横浜国立大学を経て家庭科教諭となるという異色の経歴を持っています。

          壱岐高校(長崎)

          壱岐高校は、長崎県の壱岐島にある全日制普通科の高校です。

          学校概要
          ・1909年に設立された伝統校で、2024年時点で創立115周年を迎えている
          ・全学年15クラス(1学年5クラス)の規模で、2024年4月現在の生徒数は415名(男子204名、女子211名)

          教育内容
          ・普通科に「普通コース」と「東アジア歴史・中国語コース」の2つのコースがある
          ・普通コースでは、2年次に文系・理系に分かれ、3年次には進路希望に応じたクラス編成を行っている
          ・東アジア歴史・中国語コースでは、1年次に歴史学と中国語を学び、2年次から歴史学専攻と中国語専攻に分かれる

          教育目標
          ・志を高く持ち、主体的に学び続け、考動する生徒の育成
          ・思いやりの心と協調性を持ち、地域の活性化に貢献しようとする生徒の育成

            特色
            ・「文武両道」をモットーとし、学業と部活動の両立を重視
            ・進路実現に向けて、土曜学習会や進路講演会などの取り組みを行っている
            ・壱岐島の歴史遺産を活かしたフィールドワークなど、地域に密着した教育を実施

            壱岐高校は、長い歴史と伝統を持ちながら、現代的な教育ニーズにも対応した特色ある教育を提供している高校だと言えます。

            壱岐高校野球部の特徴

            1.選手21人とマネジャー4人の全員が壱岐島出身。

            2.壱岐島は九州北部の玄界灘沖にある人口約2万4000人の島で、対外試合の際はフェリーで2時間かけて移動している。

            3.グラウンドは他のクラブと共用しており、練習環境に制約もある中、島の丸太を持って走るなどユニークな練習も取り入れている。

            4.主力の2年生は中学時代、島内四つの中学校の軟式野球部でプレーし、九州大会や全国大会に出場した経験を持つ選手もいる。

            5.中学時代のライバルや県選抜でのチームメートが高校で再び集結し、強い絆で結ばれている。

            6.島全体が「壱岐から甲子園に」という合言葉で一丸となり、島外の卒業生も応援に駆けつけるなど、強い地域のサポートがある。

            7.2024年秋の県大会で準優勝し、九州大会でベスト8に進出。創部48年目にして初の九州大会出場を果たした。

              壱岐高校野球部は、離島という環境的制約を乗り越え、地域の支援を受けながら、全員が地元出身という特色を活かしてチーム一丸となって戦っています。

              3.21世紀枠の歴代出場校は?

              【2001年】
              宜野座(沖縄) ベスト4
              安積(福島) 初戦敗退

              【2002年】
              鵡川(北海道) 2回戦敗退
              松江北(島根) 初戦敗退

              【2005年】
              一迫商(宮城) 初戦突破

              【2006年】
              真岡工(栃木) 1回戦敗退

              【2007年】
              都城泉ヶ丘(宮崎) 初戦突破
              都留(山梨) 1回戦敗退

              【2008年】
              安房(千葉) 2回戦敗退
              向陽(和歌山) 初戦突破

              【2009年】
              利府(宮城) ベスト4

              【2011年】
              城南(徳島) 初戦突破

              【2013年】
              遠軽(北海道) 初戦突破

              【2014年】
              海南(和歌山) 1回戦敗退
              小山台(東京) 1回戦敗退

              【2015年】
              松山東(愛媛) 初戦突破
              桐蔭(和歌山) 1回戦敗退

              【2016年】
              釜石(岩手) 初戦突破

              【2019年】
              石岡一(茨城) 1回戦敗退

              【2021年】
              具志川商(沖縄) 初戦突破

              【2023年】
              石橋(栃木) 初戦敗退

              【2024年】
              田辺(和歌山) 1回戦敗退

              まとめ

              2025年のセンバツ高校野球出場校は

              ・横浜清陵高校(神奈川)
              ・壱岐高校(長崎)

              の2校です。両校ともに公立校で練習など制約がある中、工夫しながらチーム一丸となって戦っている学校です。

              koh
              koh

              はじめまして。kohです。
              元公務員。好きなことや興味あることをしていきたくて転職しました。
              趣味は一人旅。気になること、興味あることを記事にしていきます。
              よろしくお願いします。

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