ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックでは、フィギュアスケートが最も注目される競技のひとつです。
ジャンプやスピンの迫力、音楽表現の美しさ、選手同士の熱い戦いなど、初心者でも楽しめるポイントが満載です。
この記事では、初心者向けにフィギュアスケートの基本ルール、採点方式、種目ごとの特徴、ミラノ五輪での見どころ、日本代表の注目選手までを詳しく解説します。
1.フィギュアスケートとは?基本ルールと特徴
フィギュアスケートは、氷上でジャンプやスピン、ステップなどの技術を駆使し、音楽や振付による表現力を競う競技です。
冬季五輪の花形競技のひとつであり、初心者でも観戦しやすいのが特徴です。
ミラノオリンピックでは次の4種目が実施されます。
- 男子シングル
- 女子シングル
- ペア
- アイスダンス
- 団体(国別で各種目の代表が出場)
各種目には独自の魅力がありますが、共通して重要なのは「ジャンプの種類」「スピン」「ステップ」「音楽表現」のバランスです。
2.フィギュアスケート種目別の特徴
男子・女子シングル
最も人気が高い種目で、ジャンプの成功率が勝敗に直結します。
男女のシングル種目では、ショートプログラム(SP)とフリースケーティングの総合得点が競われます。
SPの上位24人がフリースケーティングに進出します。
演技の時間制限は、SPが2分40秒±10秒、フリーが4分±10秒です。
SPとフリーの得点は、技術点、演技構成点、および減点によって計算されます。
技術点は基礎点と出来栄え点(GOE)の2つの要素から構成され、演技構成点は構成、演技、技術の3項目で評価されます。
転倒や演技中断、演技時間の過不足などは減点の対象となります。
ジャンプは特に注目され、6つの異なる種類が存在します。
大きく3つに分けられます。
- アクセル(前向きジャンプで回転が難しい)
- ルッツ(外側エッジで踏み切るジャンプ)
- サルコウ、フリップ、トウループ(回転の方向・踏切方法が異なる)
以下、詳しく紹介します。
アクセル
アクセルは、左足外側のエッジを使って前向きに踏み切り、後ろ向きで着氷します。このジャンプは唯一前向きに踏み切るため、他のジャンプよりも半回転多く、トリプル(3回転)アクセルなら3回転半回転します。最も難しいジャンプであり、その特徴は踏み切りが他の5種類のジャンプと異なるため、見分けやすさがあります。

ルッツ
ルッツは後ろ向きに入り、左足外側(小指側)のエッジに乗ってから右足のトウをついて踏み切ります。このジャンプは助走のカーブとジャンプを跳ぶ方向が反対のため難しいとされています。フリップとは異なり、軸足(左足)の「外側」のエッジに乗るところがポイントであり、ルッツは助走が長い点が特徴です。

フリップ
フリップは後ろ向きに入り、左足内側(親指側)のエッジに乗ってから右足のトウをついて踏み切ります。フリップとルッツでは踏み切る足は同じですが、フリップは軸足(左足)の「内側」のエッジに乗ります。したがって、跳ぶ直前に振り返る選手が多いのが特徴であり、トウループとの違いは、トウをつくのが右足であることです。

ループ
ループは右足外側(小指側)のエッジで滑りながら、左足を前に出して踏み切ります。ループを見分けるポイントは、踏み切る前に腰かけるような姿勢になります。連続ジャンプの2つ目としてトウループに次いでよく跳ばれるジャンプで、トウループに比べて最初のジャンプで着氷した右足のみで踏み切るため難易度が高くなります。

サルコウ
サルコウは左足内側(親指側)のエッジで滑りながら、右足を振り上げる勢いを使って跳び上がります。見分けるポイントは、踏み切る前に、踏み切る左足と振り上げようとしている右足が「ハ」の字のかたちになります。

トウループ
トウループは右足外側(小指側)のエッジで滑りながら、左足のトウをついて右足で踏み切って跳び上がります。フリップとの違いは、トウをつくのが左足であること(フリップは右足のトウをつく)。最も易しいジャンプとされ、連続ジャンプの2つ目としてもっともよく跳ばれるジャンプの一つでもあります。
4回転ジャンプの成功が得点に大きく影響し、初心者でも迫力が直感的に理解できます。
ペア
2人の選手が同時にジャンプ、リフト、スロージャンプを行う競技。
ショートプログラム(SP)とフリースケーティングの総合得点で競い、SPの上位16組がフリースケーティングに進出します。
演技時間はシングルと同様に、SPが2分40秒±10秒、フリーが4分±10秒です。
シングルの技術を基礎としつつ、ペアには独自の要素が加わります。
例えば、男性が腕をまっすぐ伸ばして女性を頭上に持ち上げる「リフト」や、男性に片手を引っ張られた女性が体を横にまっすぐ伸ばした状態で円を描きながら滑る「デススパイラル」、女性がジャンプを跳ぶタイミングに合わせて男性がパートナーの腰を支えて投げるようにテイクオフする「スロージャンプ」などが挙げられます。
・高さのあるリフト
・息の合ったスロージャンプ
・ペアスピン
などが見どころで、観客からも視覚的に楽しめます。
アイスダンス
ジャンプよりも音楽表現やステップが重視されます。
リズム・ダンスとフリーダンスの総合得点で競い、リズム・ダンスの上位20組がフリーダンスに進出します。
演技時間はリズム・ダンスが2分50秒±10秒、フリーダンスが4分±10秒です。
アイスダンスは氷上の社交ダンスとも呼ばれ、1回転半以上のジャンプなどは禁止され、ステップの配点などに重点が置かれます。
ジャンプがない分、滑りの技術を強調するための要素が細かく設定されていますが、その中でも特徴的なのが「ダンスリフト」です。
ペアのリフトとは異なり、「男性の頭の位置よりも上にパートナーを持ち上げること」や「男性の肩や背中に女性が座ったり、立ったりすること」は禁じられています。
- リズムに合わせたステップ
- 振付の美しさ
- ペアのコンビネーション
芸術性が高く、競技の理解度が浅くても感動しやすい種目です。
団体
国ごとに男子・女子・ペア・アイスダンスの代表が出場し、総合得点で順位を競います。
ソチ2014冬季大会から追加された「団体」ですが、オリンピックにおいては男子シングル、女子シングル、ペア、アイスダンスの4種目中3種目以上の出場枠を持つNOCの中で、国際スケート連盟の各種目ランキング合計上位10チームが出場できます。
1チーム最大10人で編成でき、まずは予選でSP(アイスダンスはリズム・ダンス)を4種目演技し、各種目に1位10点~10位1点が与えられ、4種目合計点の上位5チームがフリーに進みます。
フリーの得点も同様に1位10点~5位6点。
4種目の合計得点の多いチーム順の成績となり、同点の場合は種目ごとの内容などを比較して順位を決めます。
なお、フリーでは2種目まで選手を交代することが可能です。
日本は団体戦でも安定した成績を残しており、注目度が高い種目です。
3.フィギュアスケートの採点方式(初心者でもわかる解説)
フィギュアスケートは ショートプログラム(SP)+フリースケーティング(FS) の合計点で順位が決まります。

技術点(TES)
ジャンプ・スピン・ステップなど技術の難易度を点数化したもの。
- ジャンプの種類ごとに基礎点が設定
- 成功度によって GOE(出来栄え点 ±5) が加算または減点
演技構成点(PCS)
表現力や滑りの質を評価する点。
- スケーティング技術
- つなぎやステップの美しさ
- 振付の工夫
- 音楽表現
- 全体の完成度
注意ポイント
- 転倒した場合、ジャンプの基礎点からマイナスされる
- 同じジャンプでも回転不足や着氷の乱れで減点される
- 合計点で勝敗が決まるため、転倒してもPCS次第で逆転可能
4.オリンピックフィギュアスケートの注目・見どころ
1. 日本代表選手のメダル争い
男子・女子ともに日本は強豪です。
- 男子は4回転ジャンプの種類・本数で順位が決まりやすい
- 女子は表現力と演技構成点が勝負を左右
特に2022年北京五輪から成長した若手選手が多数出場予定で、初心者でも「日本選手のジャンプに注目」という見方で楽しめます。
2. ジャンプの高度化
4回転ジャンプの種類と成功率が勝敗に直結します。
- 4回転ルッツ
- 4回転サルコウ
- 4回転トウループ
ジャンプの高さや回転が、採点に大きく影響します。
3. 芸術表現の進化
音楽との融合や振付の独創性が高まり、表現点(PCS)がより重要に。
初心者でも衣装や音楽に注目すると、技術点だけでない魅力が伝わります。
5.初心者におすすめの観戦ポイント
- ジャンプの種類と回転数に注目
- ルッツ、アクセルなど主要ジャンプを把握するとわかりやすい
- 転倒や失敗だけで諦めない
- PCSや他の要素で逆転可能
- 衣装・音楽・表現にも注目
- 点数には直結しない部分でも観戦の楽しさが増す
まとめ
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックのフィギュアスケートは、ジャンプの迫力・芸術表現・日本代表選手の活躍と、初心者でも楽しめる要素が満載です。
- ルールを理解すれば、ジャンプや演技構成点の差がわかりやすい
- 初心者でも観戦ポイントを押さえれば十分楽しめる
- 日本代表選手や注目選手を追うと観戦の面白さが倍増
ミラノ五輪では、初心者もベテランも楽しめる 「観るだけでワクワクする競技」 です。
事前にルールや見どころを押さえて、最高の観戦体験を準備しましょう!

