万博では、ほぼ毎日「ナショナルデー・スペシャルデー」として式典やイベントを行っています。
「ナショナルデー・スペシャルデー」とは、それぞれの公式参加者の参加を称える日で、公式参加者の文化に対する理解を深め、国際親善の増進に寄与することを目的に行います。
当日は、公式参加者が国内外の賓客や一般の来場者を招いて行う式典と文化イベントが行われ、多様な文化や特色に触れ、楽しむことができます。
4月13日に万博が開幕して2日目、14日から早速行われるこのイベント。
4月24日(木)は「デンマーク」です。
デンマークの国のことを少しでも知って万博に参加すると、また違った発見や楽しさがあるかもしれません。
この日以外も、パビリオンでは様々な取り組みが行われているので必見です。
1.デンマークの場所は?
デンマークは、北ヨーロッパのスカンジナビア半島南部に位置し、ユトランド半島と406の島々からなる北欧の国です。
最大の島はシェラン島です。
また、国は北海とバルト海に面しています。

2.デンマークの国の特徴は?
立憲君主制を採用しており、国王は儀礼的な役割を担っています。
デンマークは、面積約4.3万平方キロメートル(九州程度)で、人口約581万人の北欧の小国です。
世界幸福度ランキングでは常に上位に位置しており、2023年は第2位でした。
充実した福祉制度として、医療費や介護費用が原則無料、公立の教育機関では小学校から大学まで学費無料となっています。
充実した行政サービスを支えるため、付加価値税(消費税に相当)は25%、高所得者の所得税は約50%と高額になっています。
また、国民一人ひとりを社会の構成メンバーと捉え、限られたリソースを効率的に活用する考え方が根付いています。
コペンハーゲンは2025年までにカーボン・ニュートラルを目指すなど、環境に優しい取り組みを進めています。
その他、デザイン大国でもあり、家具や建築物のデザインで世界的に有名で、シンプルさ、美しさ、機能性を兼ね備えています。
食文化では「新しい北欧料理」として、地元産の旬の食材を使った料理が注目されています。
ライフスタイルはワーク・ライフ・バランスが重視されています。
これらの特徴が、デンマークを独自の文化と高い生活水準を持つ国として世界に知られる要因となっています。
3.デンマークの言語は?
公用語はデンマーク語です。
英語は第二言語として広く使用されており、人口の86%が話せます。
ドイツ語(47%)やスウェーデン語(13%)も外国語として話されています。
デンマーク語講座
おはよう
God morgen(ゴ モーン)
こんにちは
God dag(ゴ ダー)
さようなら
Farvel(ファヴェル) ※フォーマルな別れの挨拶として使われます。
Hej hej(ハイ ハイ) ※カジュアルな場面で使われます。
ありがとう
Tak(タク)
4.デンマークの文化的特徴は?
ヒュッゲ(hygge)という居心地の良さを重視する概念があります。
これは20世紀後半からデンマーク文化の中心的概念として普及し、幸福感を感じるライフスタイルの代名詞となっています。
2016年には、デンマークが幸福度ランキング1位になったことで、幸福の秘訣として世界的に注目されるようになりました。
ワークライフバランスを重視する文化が根付いているのです。
国民性としてユーモアを大切にし、皮肉も会話の重要な要素になっています。
性別や宗教、政治に関してはリベラルな価値観を持っています。
デンマークは、ジャズ、ハードロック、メタル、クラシック、ポップなど、幅広い音楽ジャンルが根付いています。
そして、歴史上、多くの作曲家や演奏家を輩出しています。
国際的な音楽フェスティバルは「ロスキレ・フェスティバル」(北欧最大の野外音楽祭で、50年以上の伝統)や、「コペンハーゲン・ジャズ・フェスティバル」(世界的に人気のあるジャズイベント)があります。
また、ジャズやクラシック、フォークダンスやエレクトロニック・ミュージック、伝統音楽などが重要な位置を占めています。
5.デンマークの観光名所は?
コペンハーゲン(首都)
コペンハーゲンはデンマークの首都です。バルト海にあるシェラン島とアマー島に位置しており、エーレスンド橋によってスウェーデン南部のマルメとつながっています。
町の中心部でもある歴史地区には、18 世紀にさかのぼるロココ調のフレデリックススターデン地域があり、同地域には王室の居城であるアマリエンボー宮殿があります。
近くには、クリスチャンスボー城や、王室コレクションを有する庭園に囲まれたルネッサンス様式のローゼンボー城もあります。

ニューハウン
ニューハウンは、デンマークの首都コペンハーゲンにある歴史ある港町です。
1673年に完成した北欧最古の人工港で、幅30〜40m、長さ400mの運河があります。
カラフルな外装の家々が運河沿いに並び、フォトジェニックな景観で有名なスポットです。
かつては貿易・商業の拠点として栄え、現在はデンマークの人気観光地となっています。
運河沿いには多くのカフェやレストランがあり、観光客で賑わっています。
童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンが住んでいたことでも知られ、No.20、67、18の3つの家に住んでいたとされています。
最も古い建物は1681年に建てられたNo.9の青い建物です。

チボリ公園
チボリ公園は、デンマークの首都コペンハーゲンにある歴史ある遊園地です。
1843年に開園し、世界で3番目に古い遊園地なのです。
面積は約82,717平方メートルで、年間約350万人が訪れる人気の観光スポットになっています。
創設者のゲオ・カーステンセンは、「階級の差別がなく、誰でも楽しめる場所」というコンセプトで開園しました。
童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンが頻繁に訪れ、作品の構想を練ったと言われています。
また、ウォルト・ディズニーがディズニーランドの構想を練る際に参考にしたとされています。
チボリ公園は、観覧車、メリーゴーラウンド、ローラーコースターなどのアトラクションに加え、野外劇場でのエンターテイメントも楽しむことができます。
季節の花を楽しめるガーデンやオープンテラスがあり、大人にも人気となっています。
夜のライトアップは特に美しく、クリスマス時期には1万個のイルミネーションで彩られます。
チボリ公園は、単なる遊園地を超えて、デンマークの文化と歴史を体現する場所として、地元の人々や観光客に愛され続けています。

人魚姫の像
人魚姫の像は、デンマークの首都コペンハーゲンにある有名な観光名所です。
この銅像は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話『人魚姫』をモチーフにしています。
1913年8月23日に現在の場所で公開された、高さ約1.25メートル、重さ約175キログラムのブロンズ像です。
コペンハーゲン港北東部のランゲルニエ埠頭に設置されており、年間100万人以上が訪れる人気の観光スポットになっています。
製作の経緯として、カールスバーグ醸造所創立者の息子、カール・ヤコブセンが彫刻家エドヴァルド・エリクセンに制作を依頼しました。
頭部のモデルは当時のバレリーナ、エレン・プリースです。
首から下のモデルは彫刻家の妻、エリーネ・エリクセンが務めたとされています。
興味深い点として、アンデルセンの原作では腰から下が魚だったはずですが、この像は足首まで人間の姿をしています。
また、破壊行為や政治的抗議の標的になることもありますが、100年以上にわたり、コペンハーゲンのシンボルとして親しまれ、現在も同じ場所に立ち続けています。

ロスキレ大聖堂
ロスキレ大聖堂は、デンマークのシェラン島にあるゴシック様式のルーテル派デンマーク国教会の大聖堂です。
12世紀から13世紀にかけて建設され、ロマネスク様式とゴシック様式を併せ持つ独特の建築様式が特徴です。
また、北ヨーロッパで初めてレンガを使用した大聖堂であり、煉瓦ゴシック様式の典型とされています。
約75メートルの高さを持つ尖塔が特徴的で、威厳と品格を感じさせます。
15世紀以降は、デンマーク王室の公式埋葬教会として使用されており、多くの王族の棺が安置されています。
内部は主に白壁で、16世紀にオランダで制作された金色に輝く三連祭壇があります。
1995年にユネスコ世界遺産に登録されました。
ロスキレ大聖堂は、北欧の建築史において重要な位置を占め、デンマークの歴史と文化を象徴する建造物として知られています。

6.デンマークパビリオンの紹介
デンマークは「北欧館」として、パビリオンは共同で出展します。
共同出展を通じて、持続可能な未来と北欧の価値観を紹介します。
パビリオンは、1,200平方メートル、17メートルの高さを誇る木造建築 で、北欧のデザインとサステナビリティを体現しています。
展示スペース、ショップ、カフェ、会議室、ミーティング施設を備え、日本および日本企業との交流と関係強化を目指しています。

まとめ
デンマークは、ヒュッゲ(hygge)という居心地の良さを表す概念やワーク・ライフ・バランスが重視されるなど、個人を尊重した生活や制度もあり、世界幸福度ランキングでは常に上位に位置している国であることが分かりました。
音楽を中心とした文化も盛んであり、パビリオンでは持続可能な未来と北欧の価値観がどのように紹介されるのか、期待が持たれます。