万博では、ほぼ毎日「ナショナルデー・スペシャルデー」として式典やイベントを行っています。
「ナショナルデー・スペシャルデー」とは、それぞれの公式参加者の参加を称える日で、公式参加者の文化に対する理解を深め、国際親善の増進に寄与することを目的に行います。
当日は、公式参加者が国内外の賓客や一般の来場者を招いて行う式典と文化イベントが行われ、多様な文化や特色に触れ、楽しむことができます。
4月13日に万博が開幕して2日目、14日から早速行われるこのイベント。
5月26日(月)は「モンテネグロ」です。
モンテネグロの国のことを少しでも知って万博に参加すると、また違った発見や楽しさがあるかもしれません。
この日以外も、パビリオンでは様々な取り組みが行われているので必見です。
1.モンテネグロの場所は?
モンテネグロはバルカン半島西部、アドリア海に面した東ヨーロッパの国です。北はクロアチア、東はセルビア、南はアルバニア、西はボスニア・ヘルツェゴビナと国境を接しています。

2.モンテネグロの国の特徴は?
モンテネグロは、2006年にセルビアから独立した国です。
歴史的に、ビザンチン、オスマン、ヴェネツィア、オーストリア・ハンガリー帝国など、さまざまな勢力の影響を受けてきました。
主要産業として農業、製造業、観光業が中心になっており、特に観光業が発展しています。
アドリア海沿岸のリゾート地として欧州各国から多くの観光客が訪れています。
国土の約半分が森林で、山岳地帯や渓谷、湖など自然が豊か。自然保護への意識が高い国民性も特徴の一つです。
文化面では、中世の城壁都市や修道院、ロマネスクやバロック様式の教会など、多様な建築様式が見られます。
3.モンテネグロの言語は?
公用語はモンテネグロ語です。
南スラヴ語群の一つで、セルビア語、クロアチア語、ボスニア語と非常に近い言語です。
文字は、ラテン文字とキリル文字の両方が使われていますが、政府はラテン文字を優先しています。
国民の間ではセルビア語を母語とする人も多く、実際には複数言語が混在しています。
モンテネグロ英語講座
おはよう
Dobro jutro(ドブロ ユトロ)
こんにちは
Dobar dan(ドバル ダン)
さようなら
Doviđenja(ドヴィジェーニャ)
ありがとう
Hvala(フヴァーラ)
4.モンテネグロの観光名所は?
コトル旧市街
モンテネグロのコトル旧市街は、1979年にユネスコの世界文化遺産に登録された、地中海沿岸で最も保存状態の良い中世都市のひとつです。
全長約4.5km、高さ最大20mにもなる城壁に囲まれたこの街は、9世紀から築かれた要塞都市としての歴史を持ち、サン・ジョヴァンニ要塞まで続く城壁からは赤い屋根の街並みとコトル湾の絶景が一望できます。
旧市街には、聖トリフォン大聖堂や聖ルカ教会、貴族の館、時計塔などの歴史的建造物が密集しており、ローマやヴェネツィア、オスマン帝国などの支配を経て形成された多様な建築様式も見どころです。
また、コトルは“猫の街”としても知られ、石畳の迷路のような路地には多くの猫が自由気ままに暮らしており、猫好きの観光客にも人気を集めています。
グルメやカフェ文化も充実しており、歴史・文化・自然・癒しが調和した魅力あふれる観光地です。

コトル湾
コトル湾はモンテネグロ南西部、アドリア海に面した入り組んだリアス式海岸で、「世界で最も美しい湾」とも称される絶景スポットです。
ヨーロッパ最南部の“フィヨルド”のような地形を持ち、青い海と山々、赤い屋根の家並みが調和する風景は訪れる人を魅了します。
湾内にはコトルやペラストなど中世の面影を残す町が点在し、歴史と自然が融合した魅力的な地域です。
穏やかな海はクルーズや海水浴にも適しており、「岩礁の聖母教会」や「ブルーケイブ」などの名所を巡るボートツアーも人気があります。
コトル旧市街のサン・ジョヴァンニ要塞から望むパノラマは圧巻で、町歩きや博物館巡り、グルメや地元ワインも楽しむことができます。
落ち着いた雰囲気とティヴァト空港からのアクセスの良さも魅力で、自然と文化の両方を堪能できる絶好の観光地です。

ドゥルミトル国立公園
ドゥルミトル国立公園は、モンテネグロ最大級の自然公園で、1980年にユネスコ世界自然遺産に登録されました。
ディナル・アルプスの壮大な山々やタラ川渓谷、18の氷河湖など、多彩な自然景観が広がっています。
最高峰ボボトヴ・クク(標高2522m)を含む標高2000m超の山が50以上あり、タラ川渓谷はヨーロッパ最深を誇ります。
園内ではヒグマやオオカミなど希少な動物も見られ、豊かな生態系が息づいています。
ハイキングや登山、ラフティング、スキーなどアクティビティも充実しており、特にブラックレイクやタラ橋からの絶景は必見です。
ジャブリャクは冬のスキーリゾートとしても人気です。
自然と触れ合いながらリラックスできるドゥルミトルは、アウトドア派にも癒しを求める旅行者にもおすすめのスポットです。

ブドヴァ
ブドヴァはアドリア海沿岸を代表するモンテネグロのリゾート都市で、約2500年の歴史を誇る古都です。
中世の面影を色濃く残す旧市街は城壁に囲まれ、石造りの建物や狭い路地、歴史的教会が並び、ヴェネツィア時代の建築様式が今も息づいています。
一方、旧市街の外にはモダンなホテルやレストラン、バーが立ち並び、ビーチリゾートとしても人気を集めています。
モグレン・ビーチやスロヴェンスカ・ビーチなど透明度の高い海での海水浴やマリンスポーツ、夜にはナイトクラブで賑わう活気あるナイトライフも魅力です。
また、シタデルからの絶景や、近郊のスヴェティ・ステファン、セントニコラス島なども見逃せません。
歴史、自然、エンターテインメントが融合したブドヴァは、訪れる人を飽きさせない多彩な魅力を持つ観光地です。

オストログ修道院
オストログ修道院は、モンテネグロ随一の巡礼地として知られる神秘的な修道院で、標高約800mの断崖絶壁に築かれたその姿は「奇跡の聖地」と称されます。
17世紀前半、聖ヴァシリエによって建てられ、セルビア正教会の重要な聖地として世界中から年間10万人以上の巡礼者が訪れます。
修道院は岩壁に埋め込まれるように建てられた「上院」と、ふもとの「下院」からなり、特に洞窟教会のフレスコ画や聖ヴァシリエの遺体が安置された内部は信仰の力を感じさせる空間です。
また、修道院から湧き出る「命のお水」は奇跡をもたらすとされ、信者のみならず多宗教の人々にも開かれた場所として親しまれています。
険しい山道を越えた先に広がる絶景と静けさは、まさに魂が揺さぶられるような体験です。
信仰、自然、歴史、芸術が一体となった、訪れる価値のある特別な聖地です。

ツェティニェ
ツェティニェは、モンテネグロの歴史的首都として知られる静かな古都で、政治・宗教・文化の中心として15世紀に築かれました。
「モンテネグロ人の心のふるさと」とも称され、現在も多くの歴史的建造物や文化施設が残ります。
町のシンボルであるツェティニェ修道院は、モンテネグロ正教の総本山であり、多くの人々が祈りを捧げに訪れます。
また、旧王宮や19世紀の各国大使館跡、モンテネグロ国立博物館など、近代国家形成期の建築と文化を感じられるスポットが点在しています。
周辺にはロヴチェン国立公園が広がり、山頂にあるペータル2世の霊廟からはコトル湾を望む絶景も楽しめます。
さらに、15世紀末にはバルカンで初の印刷所が設けられ、出版文化の中心地としても重要な役割を果たしました。
静かで品のある雰囲気の中、歴史と自然、文化に触れられる魅力的な町です。

ロブチェン山
ロブチェン山は、モンテネグロ南西部のツェティニェ近郊にそびえる標高1,749mの山で、国名「モンテネグロ(黒い山)」の由来ともされる象徴的な存在です。
国立公園に指定されており、カルスト地形の岩山には約1,300種の固有植物や200種以上の鳥類が生息し、自然散策やバードウォッチングに最適です。
山頂には、詩人・哲学者・政治家として知られるペタル2世・ペトロヴィッチ・ニェゴシュの霊廟があり、壮麗な花崗岩の建築と461段の階段を経てたどり着く展望台からは、コトル湾やアドリア海、さらには遠くイタリアまでを望む大パノラマが広がります。
山麓から山頂への道は歴史的な街道としても知られ、歩くことで自然と文化の両面を感じることができます。
歴史と絶景を同時に楽しめる、モンテネグロを代表する名所です。

岩礁の聖母教会
岩礁の聖母教会は、コトル湾のペラスト沖に浮かぶ人工島に建つバロック様式の美しいカトリック教会です。
15世紀、漁師が海中で聖母マリアのイコンを発見したことがきっかけで、石や沈めた船を積み重ねて島が造られました。
現在も7月22日の伝統行事「ファシナーダ」で石を積む風習が続いており、信仰と地域文化の象徴となっています。
教会内部には華麗な祭壇画や天井画、地元画家トリポ・ココリャのバロック絵画、航海の安全を祈る奉納品などが飾られ、隣接する博物館ではタペストリーや歴史資料も見学できます。
周囲をコバルトブルーの海と山々に囲まれた風景は絵画のように美しく、モンテネグロ屈指のフォトスポットとして人気です。
ペラストからボートで約5分とアクセスも良く、歴史・芸術・自然が調和した魅力あふれる観光地です。

スカダル湖
スカダル湖は、モンテネグロとアルバニアにまたがるバルカン半島最大の淡水湖で、季節により面積が370〜540km²と変動します。
モンテネグロ側は国立公園に指定され、ラムサール条約にも登録される湿地として、生態系の宝庫です。
ヨシや湿地に囲まれた湖には約280種の鳥類が生息し、特に希少なペリカンやカオジロオタテガモの観察が可能で、バードウォッチングの名所として知られています。
湖には小島や中世の修道院、湖畔には歴史ある村々が点在し、クルーズやカヤックでの探索が人気です。
湖水浴ができるビーチや、サイクリング、ハイキング、地元ワインや淡水魚料理が楽しめるレストランも魅力の一つです。
首都ポドゴリツァからのアクセスも良く、自然・文化・アクティビティが一体となったモンテネグロのおすすめ観光地です。

まとめ
モンテネグロは、アドリア海と山岳地帯の絶景、歴史ある街並み、多文化が融合した独自の伝統を持つ国で、近年欧州の隠れた観光地として注目されています。