万博では、ほぼ毎日「ナショナルデー・スペシャルデー」として式典やイベントを行っています。
「ナショナルデー・スペシャルデー」とは、それぞれの公式参加者の参加を称える日で、公式参加者の文化に対する理解を深め、国際親善の増進に寄与することを目的に行います。
当日は、公式参加者が国内外の賓客や一般の来場者を招いて行う式典と文化イベントが行われ、多様な文化や特色に触れ、楽しむことができます。
4月13日に万博が開幕して2日目、14日から早速行われるこのイベント。
4月23日(水)は「トルコ」です。
トルコの国のことを少しでも知って万博に参加すると、また違った発見や楽しさがあるかもしれません。
この日以外も、パビリオンでは様々な取り組みが行われているので必見です。
1.トルコの場所は?
トルコはユーラシア大陸に位置し、東ヨーロッパと西アジアにまたがる国で、古代ギリシャ、ペルシャ帝国、古代ローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国との文化的な結びつきがあります。

2.トルコの国の特徴は?
トルコは、ヨーロッパとアジアを結ぶ地理的・文化的な架け橋として知られる国で、多様な歴史、文化、自然が特徴です。
北は黒海、西はエーゲ海、南は地中海に面し、内陸部には高原や山脈が広がっている海に囲まれた国です。
人口は約8,500万人が暮らし、大半がトルコ人ですが、少数民族としてクルド人も多く住んでいます。
世俗国家であるものの、人口の大多数がイスラム教徒です。
歴史は古く、古代アナトリアからオスマン帝国まで、多くの文明が栄えた地域で、ギョベクリ・テペなどの新石器時代の遺跡も残っています。
ボスポラス海峡に面した国際都市イスタンブールには、この街を象徴するアヤソフィア博物館があり、高くそびえるドームとキリスト教のモザイク画が見られます。
また、他にも、17 世紀に建てられた壮大なブルーモスク、1460 年頃に建てられ、かつてスルタンが居城していたトプカプ宮殿などがあります。
3.トルコの言語は?
公用語はトルコ語です。文法が日本語と似ており、日本人にとって学びやすい言語とされています。
文字はラテン文字を使用し、独自のアルファベット(ü, ö, ç, şなど)があります。
文字の公用語は英語ですが、クレオール英語も広く使用されています。
トルコ語講座
おはよう
Günaydın(ギュナイドゥン)
こんにちは
Merhaba(メルハバ) ※いつでも使えます。
İyi günler(イイ ギュンレル) ※日中使えます。
さようなら
Hoşça kalın(ホシュチャカルン) ※カジュアルな場面で使われます。
Elveda(エルベダ) ※フォーマルな別れに使われます。
ありがとう
Teşekkür ederim(テシェキュレデリム) ※丁寧な表現です。
Sağ olun(サーオルン) ※カジュアルな場面で使われます。
4.トルコの文化的特徴は?
世界三大料理の一つに数えられるトルコ料理は、ケバブやメゼ(前菜)、バクラヴァ(デザート)など多彩です。
歴史的背景からは、日本に対して友好的な国民性を持つとされています。
また、歴史の古さからオスマン建築やビザンティン建築の影響を受けたモスクや宮殿が見どころとなっています。
5.トルコの観光名所は?
イスタンブール
アヤソフィア大聖堂、ブルーモスク、トプカプ宮殿など歴史的建造物が集中する都市です。
イスタンブールは、ボスポラス海峡を挟んでヨーロッパとアジアにまたがるトルコの大都市です。
イスタンブールの旧市街には、かつてこの地を支配した数々の帝国の文化的影響が反映されています。
スルタンアフメット地区には、何世紀にもわたり二輪車競争の競技場だった、屋外にある古代ローマ時代の遺跡ヒポドロームがあり、古代エジプトのオベリスクも残されています。
象徴的なビザンチン建築のアヤソフィアは、高くそびえる 6 世紀のドームが特徴的で、内部では珍しいキリストのモザイク画を見ることができます。

カッパドキア
カッパドキアは、奇岩群や地下都市、気球ツアーで有名なエリアで、トルコ中央部の半乾燥地帯に位置する地域です。
モンクスバレーやギョレメなどに多く見られる、「妖精の煙突」と呼ばれる独特な背の高い円錐形の岩で知られています。
また、この地域には、青銅器時代に穴居人(洞穴に住む人)によって谷の斜面に彫られ、後に初期のキリスト教徒によって隠れ家として使用された洞窟の住居群や、たくさんの岩壁の教会が見られる深さ 100 m のウフララ渓谷などのスポットがあります。
奇岩地帯
「妖精の煙突」と呼ばれるタケノコ状の奇岩群は、火山灰や溶岩が長年の浸食で形成されたものです。
特に日の出や日の入り時には美しい光景が広がります。
地下都市
カイマクルやデリンクユなどの地下都市は、初期キリスト教徒が迫害から逃れるために築いたものです。
住居だけでなく、教会や食料庫も備えた複雑な構造で、最大約2万人が生活できたとされています。
岩窟教会
ギョレメ野外博物館には30以上の岩窟教会があり、美しいフレスコ画が残されています。
洞窟ホテル
奇岩を利用した洞窟ホテルはユニークな宿泊体験を提供し、多くの観光客に人気です。

パムッカレ
石灰棚と古代ローマ遺跡ヒエラポリスを含む温泉地3。
パムッカレは、トルコ南西部エーゲ海地方のデニズリ県に位置する世界遺産で、自然と歴史が融合した観光地です。
「パムッカレ」はトルコ語で「綿の城」を意味し、白い石灰棚が特徴的です。
特徴
石灰棚
温泉水に含まれる炭酸カルシウムが堆積して形成された段々状の地形です。
真っ白な棚田のような景観が広がり、自然の造形美を楽しめます。
温泉地
紀元前から湯治場として利用されてきた温泉地です。
現在も温泉プール「アンティーク・プール」で入浴を楽しむことができます。
ヒエラポリス遺跡
石灰棚の上に位置する古代都市遺跡です。
紀元前2世紀にペルガモン王国によって建設され、ローマ時代には温泉保養地として繁栄しました。
また、劇場、凱旋門、ネクロポリス(墳墓群)などが見どころとなっています。

エフェソス
エフェソスは、トルコのエーゲ海沿岸に位置する古代都市遺跡で、2015年にユネスコ世界遺産に登録されました。
この遺跡は、古代ギリシャ・ローマ時代の都市文明を示す貴重な遺構として知られています。
観光スポット
ケルスス図書館
エフェソス遺跡の象徴的建造物です。
2階建ての美しいファサードが特徴で、正面に4つの女性像(知恵、知識、知性、卓越を表す)が配置されています。
大劇場
約25,000人を収容できる巨大な円形劇場です。
アルテミス神殿跡
古代世界の七不思議の一つとされた神殿の遺構です。
マルブルロード
大理石で舗装された古代の目抜き通りです。
エフェソス博物館
遺跡近くのセルチュクに位置しています。
エフェソス遺跡から出土した約1,000点の遺物を展示し、最も有名な展示品として、大アルテミス像(292cm)と美しきアルテミス像(174cm)があります。
エフェソスは遺跡の保存状態が良く、古代都市の様子を体感できます。
また、遺跡と博物館を合わせて見学することで、より深くエフェソスの歴史を理解できるでしょう。
近隣には聖母マリアの家とされる場所もあり、キリスト教の聖地としても知られています。
エフェソスは、古代文明の壮大さと洗練された都市計画を今に伝える貴重な遺跡であり、トルコを代表する観光地の一つとなっています。

アンタルヤ
地中海沿岸のリゾート地で、美しいビーチや遺跡があります。
オールド ハーバーにはたくさんのヨットが停泊し、ビーチには大型ホテルが建ち並んでいます。
その海水の青さからターコイズ コーストとして知られる、トルコ南部の地中海沿岸地域への玄関口でもあります。
この町には、古代ローマの主要な港町だった時代の遺物が残されています。
主なものには、西暦 130 年にローマ皇帝ハドリアヌスの訪問を称えて建てられたハドリアヌス門と、港の景色を一望できる 2 世紀に建てられたヒディルリク塔があります。

6.トルコパビリオンの紹介
トルコの「いのち輝く未来社会のデザイン」は、アナトリア文明で培われたトルコの深遠な歴史的経験を未来へのビジョンに変換し人類と共有することです。
文明の交差点であるトルコは、文化的な貢献を通じて命をつなぐという、世界史において独自の役割を果たしています。
トルコパビリオンのテーマである「文明の黄金時代」は、トルコと日本の国旗に描かれた太陽と月で象徴される昼と夜の概念を具現化するものです。
このテーマは、共通の文化的遺産のもとでギョベクリテペからオスマン帝国までの過去の文明を結びつけています。
コンテンツとデザインを融合したパビリオンは、トルコの地中海沿岸と黒海沿岸を象徴する波模様を描いたファサードを特徴としています。
入口上部にある「三日月と星」のイルミネーションは国家の誇りを強調し、入口と内部は月と太陽を表す「キュン・アイ」のシンボルで飾り付けられています。
トルコの豊富なホウ素資源を象徴するホウ素コーティングされた木のユニークなインスタレーションが、参加国の旗とともに照らされ、昼夜を問わず印象的な特徴をつくり出しています。(万博HPより)

まとめ
トルコは各地に古代ローマ・ギリシャ時代からの歴史的建造物が残されており、自然と文化遺産が融合した名所がたくさんある国であることが分かりました。
一生に一度は訪れてみたい国の一つであると言えるでしょう。