大河「べらぼう」鳥山検校は何者?※べらぼうネタバレ含む

大河ドラマ「べらぼう」では、市原隼人演じる盲目の鳥山検校が登場しました。
さて、この鳥山検校は江戸時代にどんなことをした人物なのでしょうか。

※大河ドラマはまだ序盤のため、今後のネタバレになる内容を含みます。

1.鳥山検校とはどういう人物?

鳥山検校は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した盲目の大富豪です。

大富豪になった理由として、盲人組織「当道座」の最高位「検校」の地位にあり、幕府公認の高利貸しとして鳥山検校は莫大な財を築きました。

18世紀後半、田沼意次の政治下で商業が発展し、貨幣経済が拡大した時代に鳥山検校は活躍しています。幕府の「座頭金」制度により、盲人に高利貸しが許可されていたからです。

また、鳥山検校は幕府の要人や文化人とのネットワークを持ち、江戸の経済界に大きな影響力を持っていました。

そして、当時の遊郭は文化人や経済人の社交の場でもあり、鳥山検校は「吉原の常連」だったとされています。

後に、取り立ての厳しさや強欲ぶりが問題視され、最終的に江戸幕府から処罰を受けることになりました。
その際、全財産を没収され、江戸から追放されるという厳しい処分を受けています。

鳥山検校は、盲目でありながら江戸時代の「影のフィクサー」として、経済界を牛耳るほどの財力と権力を持った人物でした。
その波乱万丈な人生は、当時の戯作にも取り上げられるなど、江戸の庶民の間でも話題となっていました。

2.鳥山検校と吉原の関係は?

「吉原の常連」だった鳥山検校と五代目瀬川の関係は、江戸時代を代表する華やかな逸話として知られています。
当時、五代目瀬川は吉原随一の花魁として知られ、美貌と気品を兼ね備えた存在でした。

吉原では、鳥山検校は瀬川に本や双六を贈るなど、心を通わせていた可能性があります。
また、盲目の鳥山検校は、瀬川の知的な話術に惹かれていたのかもしれません。

3.鳥山検校は花魁・五代目瀬川を身請け?

安永4年(1775年)、鳥山検校は五代目瀬川(花の井)を1,400両(現在の価値で約1億4,000万円から1億8,000万円)という破格の金額で身請けしました。
この出来事は「瀬川落籍事件」として江戸中の大きな話題となったのです。

この鳥山検校と五代目瀬川の関係は、江戸時代の華やかさと儚さを象徴する逸話として、後世に語り継がれています。

鳥山検校が吉原の花魁・五代目瀬川を身請けした理由には、いくつか理由がありました。

社交の場としての吉原
吉原は単なる遊郭ではなく、当時の文化人や経済人の社交場としての機能を持っていました。
鳥山検校は「吉原の常連」として知られていたので、その場での交流を重視していたと考えられます。

花魁の教養と会話力への魅力
盲目の鳥山検校にとって、五代目瀬川の知的な話術や教養が特に魅力的だったと推測されます。
花魁たちの持つ「教養」「会話力」「芸事」は、音楽や話術に秀でた検校たちと相性が良かったとされています。

財力の誇示
1,400両(現在の価値で約1億4,000万円から1億8,000万円)という破格の金額で身請けすることは、鳥山検校の莫大な財力を誇示する行為でもありました。

社会的地位の象徴
当時、高級遊女を身請けすることは社会的地位の象徴でもありました。
鳥山検校は盲人でありながら、武士や商人と肩を並べる存在であることを示したかったのかもしれません。

個人的な感情
具体的な記録は残されていませんが、鳥山検校が五代目瀬川に個人的な魅力を感じ、心を通わせていた可能性も考えられます。

この「瀬川落籍事件」は江戸中の大きな話題となり、鳥山検校の名を広く知らしめる出来事となりました。
しかし、この華やかな関係も長くは続かず、3年後の1778年に鳥山検校は幕府から処罰を受け、全財産を没収されて江戸から追放されることになります。

4.鳥山検校は幕府から処罰を受けた?

鳥山検校が処罰を受けた主な理由は、高利貸しとしての悪辣な取り立て行為です。

具体的には…
・過度に高い利子での金銭貸付
・厳しすぎる取り立て方法
・借金を返せない武士や商人から土地や事業を取り上げる行為

これらの行為が重なり、鳥山検校の強欲ぶりは次第に問題視されるようになりました。
その結果、1778年(安永7年)に江戸幕府から厳しい処罰を受けることとなりました。

処罰の内容は…
・全財産の没収
・江戸からの追放(江戸払い)

この処罰により、鳥山検校の栄華は終焉を迎えることとなりました。彼の悪辣な高利貸し行為は、多くの人々を苦しめ、中には出奔したり自害したりする者も後を絶たなかったとされています。

また、鳥山検校の事例は、当時の金融業の問題点や、盲人に与えられていた特権の濫用を示す象徴的な出来事となりました。

まとめ

鳥山検校は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した盲目の大富豪です。
検校は、盲人組織「当道座」の最高位「検校」の地位にあり、幕府公認の高利貸しとして莫大な財を築いていました。

鳥山検校は吉原の常連となり、五代目瀬川(花の井)を1,400両(現在の価値で約1億4,000万円から1億8,000万円)という破格の金額で身請けし、この出来事は「瀬川落籍事件」として江戸中の大きな話題となりました。

後に、鳥山検校は幕府から処罰を受け、全財産を没収されて江戸から追放されることになりました。

koh
koh

はじめまして。kohです。
元公務員。好きなことや興味あることをしていきたくて転職しました。
趣味は一人旅。気になること、興味あることを記事にしていきます。
よろしくお願いします。

kohをフォローする
大河ドラマ関連
シェアする