ロマンタジーは、ロマンスとファンタジーを組み合わせたジャンルとして、海外を中心に大きな注目を集めています。
そんなロマンタジーの人気は小説の世界だけにとどまらず、2026年には「旅」と結びついた新しい楽しみ方にも広がっています。
では、なぜロマンタジー旅がトレンドになっているのでしょうか。日本でもファンタジーの世界観を感じられる旅を楽しめるのか、気になりますよね。
そこで当記事では、ロマンタジー旅が注目される理由から、日本で楽しむ方法、おすすめのロマンタジー小説まで紹介します。
- ロマンタジー旅が2026年のトレンドになった理由
- 日本でロマンタジー旅を楽しむ方法
- 旅気分を味わえるおすすめのロマンタジー小説
- 日本で広がるロマンタジーの最新動向
ロマンタジー旅が2026年のトレンドになった理由
ロマンタジー旅が注目されている大きな理由は、物語を読むだけではなく、ファンタジーの世界観そのものを旅で体験したいという需要が高まっているからです。
Booking.comが発表した2026年の「旅行トレンド予測」では、「空想物語への没入ファンタジー旅(Romantasy Retreats)」が10のトレンドの1つとして紹介されています。
世界33の国と地域、29,733人を対象にした調査では、ロマンタジーの世界から着想を得た目的地への旅行に興味がある人が世界で71%、日本でも56%に達しました。
さらに、好きなファンタジー作品やゲーム、映画を題材にしたロールプレイ旅についても、世界では53%が参加に前向きと回答しています。
日本では34%となっており、国内でも物語の世界に入り込む旅への関心が見えてきます。
つまりロマンタジー旅は、単に「ファンタジーっぽい場所へ観光に行く」という話ではありません。魔法の城や神秘的な森、中世の宴会、仮面舞踏会など、まるで小説の登場人物になったような体験を旅の目的にするスタイルです。
これまで本を持って旅に出ていた読者が、今度は本の中に登場するような世界へ自分自身が旅をする。そんな楽しみ方が、2026年のロマンタジー旅の魅力といえそうです。
また、AIなどのテクノロジーもロマンタジー旅との相性が良いポイントです。
Booking.comの調査では、ファンタジー風の場所や物語に登場しそうな宿、実際の撮影地などをAIに提案してもらうことに、世界の78%が前向きでした。
ロマンタジー旅を日本で楽しむ方法
ロマンタジー旅は、海外の魔法の城や中世の街並みまで出かけなくても、日本国内で十分に雰囲気を作れます。
大切なのは観光地の名前だけで選ぶのではなく、好きな物語に登場しそうな景色や建物、宿泊体験を組み合わせることです。
ファンタジーの世界観を感じる場所を選ぶ
日本でロマンタジー旅を楽しむなら、まずは西洋風の建築、古い洋館、神秘的な森、歴史を感じる街並みなど、物語を連想できる場所を探すのがおすすめです。
たとえば、アンティーク調の家具がある宿や洋館、森に囲まれた静かな宿などを選べば、普段の旅行とは違った没入感を作れます。
さらに、旅先で読む作品を1冊決めておくと、ロマンタジー旅らしさが一気に高まります。出発前にお気に入りの小説を読み、物語に登場する城や森、舞踏会などの場面を思い浮かべながら旅先を選ぶ方法も面白いですね。
ロマンタジー旅では、観光名所を効率よく巡ることだけを目的にする必要はありません。
古い建物を眺めながらゆっくり歩いたり、夜に宿で読書をしたり、ドレスやアクセサリーを身につけて写真を撮ったりするなど、物語の登場人物になったつもりで時間を過ごすことがポイントです。
また、実際の映画やドラマのロケ地を訪れる方法もあります。
好きな作品の撮影地を探し、周辺の宿泊施設やカフェを組み合わせれば、単なる聖地巡礼とは違う自分だけのロマンタジー旅にできます。
AIを使って自分だけの旅を作る
ロマンタジー旅と相性が良いのがAIです。Booking.comの調査でも、AIを使ってファンタジー風の美しい場所や物語に登場しそうな宿、実際の撮影地などを探すことに、日本の旅行者の64%が前向きとされています。
AIを使う場合は、単純に「ファンタジーな旅行先を教えて」と質問するより、好きな作品の雰囲気や旅の条件を具体的に伝えるのがおすすめです。
「古城のような雰囲気」「神秘的な森」「アンティーク家具」「静かな宿」「東京から2時間程度」など、イメージと条件を組み合わせると探しやすくなります。
さらに「女性主人公が魔法学校を旅する物語のような雰囲気」「敵同士だった2人が旅をする場面を連想できる場所」など、好きなトロープを伝える方法もあります。
AIをアイデア出しに使い、実際の施設の営業状況やアクセス、料金などは公式情報で確認すると安心です。
ロマンタジー旅の面白さは、決められた観光コースではなく自分の好きな物語を現実の旅へ翻訳できることにあります。
お気に入りの小説を旅のテーマにして、場所、宿、食事、服装まで組み合わせれば、世界に一つだけの旅が完成します。
ロマンタジー旅におすすめの小説5選
ロマンタジー旅をさらに楽しみたいなら、旅や冒険を感じられる作品を読むのもおすすめです。
壮大な世界を旅する物語から、大人向けの恋愛とファンタジーを組み合わせた作品まで、作品によって楽しみ方は大きく異なります。
フォース・ウィング―第四騎竜団の戦姫―
ロマンタジー小説を初めて読むなら、まず候補に入れたいのがレベッカ・ヤロスさんの『フォース・ウィング―第四騎竜団の戦姫―』です。
2023年5月にアメリカで発売され、竜、魔法、軍事大学、友情、ライバル関係など、ロマンタジーの魅力が凝縮されています。
日本語版は2024年11月に上下巻で発売され、2025年本屋大賞の翻訳小説部門で第1位を獲得しました。原島文世さんによる日本語訳は、原書のテンポの良さを意識したものとされており、500ページを超える原書でも一気に読める感覚が魅力として語られています。
物語の舞台には軍事大学があり、主人公たちは竜と関わりながら厳しい訓練や危険に立ち向かいます。
単純な恋愛だけではなく、生き残りをかけた冒険や友情、対立関係が同時に進むため、旅をするような感覚で物語へ入り込める作品です。
ロマンタジー旅との相性を考えるなら、読書旅行の一冊としても魅力的です。作品を読みながら、城や山、荒々しい自然などを訪れれば、現実の景色と物語の世界を重ねて楽しめます。
罪悪の王子たち ―呪われし玉座―
ダークで官能的なロマンタジーを読みたいなら、ケリー・マニスカルコさんの『罪悪の王子たち ―呪われし玉座―』も候補になります。
原題は『Throne of the Fallen』で、Prince of Sinシリーズ第1作にあたる大人向けのダーク・ロマンタジーです。
日本では2025年8月21日に上下巻が同時発売されました。悪魔や王子、女性画家などが登場する世界観は、明るく爽やかなファンタジーとは異なる妖しく美しい雰囲気を持っています。
ロマンタジー小説では、魔法や異世界だけでなく、登場人物同士の関係性が物語を動かす重要な要素になります。本作もファンタジーの設定と恋愛の緊張感を一緒に楽しみたい読者に向いた作品です。
旅という視点では、明るい観光地を巡るよりも、夜の街や歴史を感じる建物、幻想的な照明の空間などを組み合わせると作品の雰囲気に近づけられそうです。
読書と旅の空気感を一緒に楽しみたい人には、印象に残りやすい一冊ですね。
Daughter of No Worlds
世界観や人物描写をじっくり楽しみたい人には、Carissa Broadbentさんの『Daughter of No Worlds』が挙げられます。
奴隷制度の克服や魔法、歴史を背景にした重厚なハイファンタジーの中で、主人公たちが少しずつ関係を深めていく物語です。
大きな特徴は、複数視点で物語が描かれることです。ヒロイン側だけではなく相手側の心理も追えるため、2人の距離が変化していく過程をより立体的に楽しめます。
ロマンタジーでは「敵同士の恋」や「運命の相手」といったトロープが注目されがちですが、本作のように関係性が時間をかけて変化していく作品は、恋愛そのものの過程を重視したい読者に向いています。
旅をテーマに読む場合も、単純な目的地への移動ではなく、主人公が経験する苦難や出会いを自分の旅と重ねてみると面白いでしょう。
華やかな恋愛だけではなく、世界の歴史や社会まで含めて没入したい人におすすめです。
Saint of Steelシリーズ
大人のキャラクターが活躍するロマンタジーを探しているなら、T・キングフィッシャーさんの『Saint of Steel』シリーズも注目です。
死んだ神に仕えていたパラディンたちが、それぞれの女性との関係を育てながら、大きな謎に挑んでいくロードストーリーです。
このシリーズの面白さは、ティーンエイジャー中心の物語とは違った大人同士の距離感にあります。登場人物が過度に美化されず、現実的な悩みや身体感覚を持っている点も、大人のハイファンタジー読者から評価されています。
また、シリーズ全体を通して大きな謎へ向かって旅をする構成なので、「ロマンタジー 旅」というテーマとも非常に相性が良い作品です。恋愛だけを目的に読むのではなく、仲間と移動しながら事件を追うロードムービーのような感覚も楽しめます。
旅先でゆっくり本を読みたい人なら、観光予定を詰め込みすぎず、宿で読書する時間を作るのもおすすめです。大人の恋愛、ユーモア、冒険をまとめて楽しみたい人に向いたシリーズといえます。
Swordheart
少しユーモラスなロマンタジーを読みたいなら、T・キングフィッシャーさんの『Swordheart』も面白い選択肢です。
未亡人の主人公が、魔法の剣に宿るバーバリアンの戦士を相続し、2人で旅をするというユニークな設定が特徴です。
「魔法の剣を手に入れた」というだけなら典型的なファンタジーですが、剣に宿る戦士と主人公が一緒に行動することで、恋愛と冒険、ユーモアが同時に展開します。定番のファンタジー設定を少し違った角度から楽しめる点が魅力です。
ロマンタジー旅という視点では、実際の旅でも「魔法のアイテムを持って冒険する」という設定を作ると楽しそうですね。
お気に入りのアクセサリーや本を旅のお守りにして、物語の主人公になった気分で街を歩いてみる方法もあります。
ロマンタジー小説は、派手な魔法や恋愛だけが魅力ではありません。作品ごとに世界観、キャラクター、ユーモア、旅の描き方が違うため、自分が好きなタイプを見つけることがジャンルを長く楽しむコツです。
ロマンタジーは日本でも広がっている?
ロマンタジーは海外だけの流行ではなく、日本でも存在感を高めています。
特に海外の大ヒット作の邦訳に加えて、日本の小説やマンガが持つ異世界、恋愛、タイムリープなどの要素との親和性が高いことが、国内で受け入れられやすい理由と考えられます。
日本の小説やマンガとの親和性
日本のエンタメには、異世界、魔法、学園、身分差、下克上、タイムリープなど、ロマンタジーと相性の良い要素が以前から存在しています。
オンライン小説やライトノベル、女性向けマンガを読んできた人にとって、海外のロマンタジーは決して未知のジャンルではありません。
たとえば「最初は弱い主人公が成長する」「強力な相手との関係が変化する」「過去へ戻って人生をやり直す」といった展開は、日本の読者にもなじみがあります。
海外作品で使われるトロープと、日本のライトノベルやマンガで親しまれてきた物語構造には重なる部分があります。
実際に日本でも『夜明けの唄』や『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから』など、ファンタジーと強い人物関係を組み合わせた女性向けコミックが注目されています。
そのため、日本では海外のロマンタジーを翻訳して読むだけでなく、国内作品をロマンタジー的な視点から楽しむ流れも広がる可能性があります。
小説だけでなくマンガ、アニメ、映像作品へ展開していくことで、さらに身近なジャンルになっていきそうです。
ロマンタジー翻訳作品が増えている背景
海外で大きな人気を集めた作品が日本語に翻訳されることで、日本の読者がロマンタジーに触れる機会も増えています。
代表的なのが『フォース・ウィング―第四騎竜団の戦姫―』で、日本語版のヒットと本屋大賞の翻訳小説部門第1位によって、国内でもジャンルへの注目が高まりました。
さらに『罪悪の王子たち ―呪われし玉座―』のような大人向け作品も日本で刊行されており、ロマンタジーの幅が広がっています。
若い読者向けの作品だけではなく、政治劇やダークファンタジー、成熟した恋愛関係を楽しみたい読者にも選択肢があります。
翻訳では、海外ロマンス特有の直接的な表現、ライトノベルのような読みやすさ、ハイファンタジーの重厚な世界観をどう両立させるかが重要になります。『フォース・ウィング』の翻訳を担当した原島文世さんも、日本のライトノベルやファンタジー小説が好きという自身の感覚を翻訳に生かしたと語っています。
今後も海外の人気作が日本語化されれば、ロマンタジー翻訳作品の選択肢はさらに増えていくでしょう。海外作品を読むことで、日本のファンタジーやマンガとの違いを比べてみるのも楽しみ方の一つです。
ロマンタジー旅と小説をもっと楽しむ方法
ロマンタジー旅を長く楽しむなら、作品の定番設定だけを再現するのではなく、世界観や人物の感情まで想像することがポイントです。
旅と読書を組み合わせれば、作品を読む時間そのものが特別な体験になります。
トロープだけでなく世界観や人物描写にも注目
ロマンタジーには「敵同士の恋」「運命のつがい」「ベッドが1つしかない部屋」など、読者を惹きつける定番のトロープがあります。好きな設定を探す楽しさはありますが、海外の読者コミュニティでは、トロープばかりが強調されて世界観やキャラクターの成長が薄くなることへの批判も見られます。
本当に作品へ没入するなら、「どんな設定なのか」だけでなく「なぜ2人は惹かれ合うのか」「旅を通じて何が変わったのか」といった部分にも注目したいところです。恋愛とファンタジーが別々に存在するのではなく、両方が物語を動かしている作品ほど、読後の満足感につながりやすいでしょう。
ロマンタジー旅でも同じ考え方ができます。城のような建物を見つけるだけで終わらせず、「主人公ならこの場所で誰と何を話すだろう」と想像してみると、旅の体験が変わります。
さらに、旅の途中で作品を読み返したり、気に入った場面に似た風景を写真に残したりするのもおすすめです。物語の世界観と現実の景色を自分の中でつなげることが、ロマンタジー旅を単なる観光から特別な体験へ変えるコツです。
読書会やファンイベントで世界観を共有する
ロマンタジーを一人で読むだけではなく、好きな作品について誰かと語り合うのも楽しみ方の一つです。
海外では新刊発売に合わせたパーティーや、作品をテーマにしたファン活動が盛んになっており、ロマンタジーは「読むジャンル」から「参加するカルチャー」へ広がっています。
日本でも作品の公式読書会などが開催されており、『フォース・ウィング』については2025年7月に都内で公式読書会が開催されたとされています。作品について語ったり、翻訳者の話を聞いたりできる機会は、読者にとって物語をさらに深く楽しむきっかけになります。
今後、日本でもロマンタジーの認知度が高まれば、読書会やファンイベント、作品をテーマにした交流の場が増える可能性があります。SNSで同じ作品が好きな人を探し、読書会やイベント情報をチェックするのもよいでしょう。
旅と組み合わせるなら、イベント参加を旅行の目的にする方法もあります。好きな作品を持ってイベントへ出かけ、その前後に洋館や歴史的な街並みを巡れば、読書とファン活動とロマンタジー旅を一度に楽しめます。
まとめ
当記事では、ロマンタジー旅について紹介しました。ロマンタジー旅は、ファンタジー小説の世界観を現実の旅行へ持ち込み、物語の登場人物になったような体験を楽しむ新しい旅のスタイルです。
2026年の旅行トレンドでは、ロマンタジーの世界から着想を得た旅への関心が世界で71%、日本でも56%に達しています。AIを使ってファンタジー風の宿や景色、ロケ地を探す方法も広がっており、自分の好みに合わせた旅を作りやすくなっています。
ロマンタジー小説では、『フォース・ウィング―第四騎竜団の戦姫―』や『罪悪の王子たち ―呪われし玉座―』をはじめ、世界観や人物描写を重視した作品にも注目です。日本でも海外作品の翻訳やマンガ作品を通して、ロマンタジーへの注目が高まっています。
ロマンタジー旅を楽しむときは、定番のトロープだけでなく、作品の世界観や登場人物の感情まで想像してみてください。お気に入りの一冊をバッグに入れて、自分だけの物語を探しに出かける旅にも注目ですね。
ロマンタジー旅が2026年の旅行トレンドとして注目される理由を解説。ロマンタジーとは何か、日本での広がりやおすすめ小説、翻訳作品まで紹介し、物語の世界を旅する楽しみ方をわかりやすくまとめました。

